思えば先立たれてばかりの人生だった。



思えば先立たれてばかりの人生だった。


父は自殺し先立たれ
友はバイク事故で先立たれ
同士には病で先立たれ



いつもそれは突然に訪れ、私のもとを去り行き、心の中で生きる存在として姿を変えていった。


今、私がここで生きていられるのは彼等が心の中で生きていると信じているからである。信じるというと聞こえがいいかもしれないが、これはなんの保証もない願いだ。そうあってほしいという途方も無い願い。その願いに支えられ私は生きている。




うちで飼っている犬が昨日から食事をとらなくなった。最近は立つこともできず、ただ寝ているだけだったのだが、ただ寝ているだけでも充分だった。寝ているだけでエラいと撫でながら褒めた。


身体の異変を感じ病院へ連れていくと、余命一週間と言われた。どこが悪いというわけではなく、老いだと。


でも今まで私のもとを過ぎ去っていった存在と比べれば、この子は一週間という猶予を私にくれたのだから、いい子だと思う。


本当にいい子だと思う。




追記

みんな先立ちたいわけではないですよね。一生懸命生きていた。


悲しいのは、その存在が大切だったから。そう思うので悲しい気持ちと私もちゃんと向き合おうと思います。