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自転車に乗ればどこへでもいける気がした

日常



私が大学生の頃の話だ。







居酒屋で0時まで働いて帰りに自転車で行けるとこまで旅をする。自分がもうダメだと思うところまでペダルを漕ぎつづける。深夜の街はいつものそれとは姿が違い私は別の世界にいるような錯覚に陥った。別の世界にいきたいと思っていた。そんなときに聴いていたのは決まってACIDMANだった。今でもドライブするときに一番馴染むのはACIDMANだ。これほど夜と似合うバンドもなかなかないと思う。まぁこれは余談なのだが。



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車のない国道15号線、人もまばらな私だけの世界。私には何も考えずに身体を動かす時間が必要だった。大学に居場所もなく、友人のなかにも自分の価値を見出せず、家にいてもひとりだと感じていた当時の私は深夜のサイクリングに自分の居場所を求めていたのだ。


しかし進めども進めども現実は私から離れようともしなかった。腕は痺れだし足はこぐ力をなくしていく。私の限界はここまでだと小さな底つき体験を重ねた。今思うと私なりの現実と向き合う方法だったのではないかと思う。私は私でしかなく、ひとりでは行ける場所も限られる。私はこの枠の中で今は生きるしかないのだと実感するための。



まぁ人生の底なんてみればみるほど底なし沼なんだろうと今は思うけど。