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どうせサンタは存在しない

カルチャー 日常


毎年クリスマスイブはサンタさんに宛てた手紙を枕元に置いて寝ていた。サンタさんはなぜか私が欲しいと思っていた通りのものをくれた。プレゼントがダイエーホークスの包装紙で包まれていても何の疑問も持たず、「サンタさんもダイエーに行くんだ!!」と喜んでいた。




サンタさんは存在しないことを知ったのは小5のクリスマスイブだった。プレゼントの贈り主はサンタさんじゃなかった。「そ、そんなのわかってたし」思春期の入り口に立っていた私は冷静を装いながらも私のサンタさんが実在しなかったことに相当な衝撃を抱いていた。その晩、枕は濡れていた。



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サンタさんはなんで私の欲しいものがわかるんだろう。一輪車、シルバニアハウス、任天堂64...サンタさんはすごいから私の欲しいものがなんでもわかるんだ。私はあえてサンタさんに何も手紙を書かなかったことがある。そしたら何を贈ってくれるのか知りたくて、悪戯心に火がついた。朝、目が覚めた、枕元には大きなリュックにいっぱいのお菓子が入っていた。それは当時私がほしいものではなかったが、サンタさんが私のためのプレゼントを準備してくれたことが嬉しかったので、すごく嬉しかったので、お菓子は食べずにずっと眺めておいていた。

そういえばサンタさんに手紙をどうやって書いていたんだろう。私は母や父に手紙の書き方を教えて貰った。その時すでにサンタさんは私の欲しいものをわかっていたんだ。
お誕生日プレゼントもクリスマスプレゼントも一生いらないから犬が飼いたいと言ったこともある。そして私は犬を飼い始めた。その年もサンタさんはプレゼントを贈ってくれていた。サンタさんはとことん私に優しかった。サンタさんがプレゼントをくれるから、クリスマスが大好きだった。


小学校に入ってから徐々にサンタさんはいないと口にする生徒が増えていた。それでもサンタさんは私のところに来てくれた。確かにサンタは存在した。私が何もしていなくてもご褒美をくれる特別な存在。大人になるほど消えゆく儚い存在である。



どうせサンタは存在しない。


サンタさんは存在しない、そういう年齢に私はなってしまった。いよいよもってクリスマスプレゼントを贈る側の人間になりわかったことは、サンタさんを存在させるために誠心誠意尽くしてくれた親心の有り難みだ。

それこそがサンタさんが私に贈ってくれる最高のプレゼントではあるまいか。






どうせサンタは存在しない。存在するのは大切な誰かを思うあたたかな心である。