飴にも満たない


私の一言が誰かに大きな影響を与えることなんてほとんどない。それは飴にも満たない小さな甘みすらないただの音でしかない。


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どんなに高名な社会学者でもその場で殴られたら社会に意見することも叶わない。目の前の暴力がないから生きていける、その様な小さな奇跡を重ねた結果が今の私だ。たくさんの人間の中で生きる人間の姿だ。もしかしたら自分が明日死ぬかもしれないなんて考えたことある人はそんなにいないかもしれないけど、今目の前を走るトラックが私にぶつかってきたら、明日偶然ホームで人にぶつかって線路に身を投げだしてしまったら、そんなもしもをたくさん乗り越えて私は今、生きている。そう考えると生きているとは奇跡の重なりだと思うのだ。

でも私が生きていて他者に与えられる幸せなんてのは飴にも満たないようなものだ。奇跡が重なっても飴には勝てない、目の前にある甘い飴に手を伸ばす人のほうがきっとたくさんいる。私個人なんてその程度のあってもなくてもいいようなそんな存在でしかない。
そう考えると自分の自己肯定感の低さを痛感すると同時に、なにかやってやろうという意欲が燃えてくるときがある。あってもなくても良い奇跡で積み重ねられた命でどう生きたらいいか考えたりする。そんなことを考えるとこれから生きていくことが楽しみになったりする。私の心を躍らせるのはそんな飴にも満たない淡い期待なのだ。

そんな期待を胸にたくさんの人が生きているのだと思う。飴にも満たない小さな希望と悲しみを抱きながら、一日一日を積み重ねている。そしてそうやって積み重ねた日々を奇跡と呼ぶなら、そんな素晴らしいことはない。