居酒屋から遠のいていた私がキンキンに冷えたビールを飲んだら泣いた話

大学生のころは2日に1回は飲みに行ってた。何もなくても飲みに行って同じ話を繰り返して笑って気づいたら朝になってた。そういえばみんなで大学の屋上に登って観た朝焼けは綺麗だったなぁ。



完徹オールで気づいたら朝なんていうのは大学生の特権で、社会人になるとお付き合いのお酒ばかり増えていった。お付き合いのお酒のなんと無味なことか。自分のビールの泡が消えても上司のお酌をせねばならない。食べられるのは余った枝豆くらいなものだ。下手なことを言うまいと笑顔を作りながら他人に話を合わせ、お酒を楽しむどころではない。そして宴会から解放された私は泥のように眠るしかない。とにかく終電までには帰ろう、出ないと明日仕事にならない。時間と他人の顔を伺いながらお酒を飲む。そんな付き合いを続けていたらなんだか疲れてしまって、だんだん飲み会からも遠のいてしまった。


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先日例のごとく残務だった。夏至間近だというのに外はもう真っ暗。私の心も真っ暗に溶けてしまいそうな夜、なんだか自分を投げ出したくなって都会へ紛れ込んだ。赤ちょうちんが並ぶお店にひとりアラサー女が佇む。周りのおっさんに気を使わないで飲みたいだけ飲んで良い、今夜だけは、今夜だから、そう思ってとりあえず生。そしてタコわさ。

キンキンに冷えたビールが届く。ジョッキに手を添えると痺れるほどに冷えきった、その薄氷が溶けて私の手とひとつになる。これが生ビールだ。諸君、これが生ビールだ。ビアガーデンのぬるいビールもなかなか悪くないが、やはりビールはキンキンに冷えてこそ最高の幸せを私に与えてくれるのだ。

そのビールをぐびぐびと飲んだ。


なぜかひとりで泣いた。





タコわさのわさびが効きすぎたせいにした。











ひとり泣いた。