知らないままでいたほうが

 

人身事故で電車が止まっていた。毎日のように人身事故で電車が止まっているので、そこで誰かが亡くなっているのだとかそういうことを考える間もないほど遅延の処理のため方々に電話をかける。気づくと電車は運転を再開している。

 

私も油断していると「えー、電車遅れてると困るんだけど」と考えてしまうときがある。もしかしたらその場で1人の人生が終わっているのかもしれないのに。白状な人間だと思う。

線路に飛び込みたくなるほど辛いこと、悲しいことってなんだろうと考えるときもある。何も考えてなくてもふわっと線路に吸い込まれてしまうときがあるのだと思う。満員電車のなかで人はいつも死んだ目をしている。そういう気持ちになることがあることも少しだけわかるときがある。でも知らないままでいたほうが良いことが世の中にはたくさんある。

 

死にたくなるほど死にたい人の気持ちなんて知らないままでいたほうがみんな幸せ、ハッピーだ。最近WANIMAというバンドが流行っていて、たまに聴くのだが、前に前に上に上にもっともっと頑張れという感じの曲調は聴くときに聴くと神経がすり減る。いや別にWANIMA悪くないけど。ファンモンとかGReeeeNとか定期的に前向きソングが流行るのは世の中の闇を現しているような気がしてしまうのだ。少なくとも私は死にたいほど辛いときは前向きソングは聴きません。前向きすぎて前向きになれない自分を責めてしまうので。そういう曲に素直に共感して前向きになれるような人が良いのだと思う。何に良いのか?あまり考えないようにする。

 

人身事故の話、死にかたに迷惑とか迷惑じゃないとかそんなものないと思っている。ただつらくて悲しい人がいたんだと少し想像するだけ。知らないままでいたほうが良いのかもしれないけど、その人の立場を10秒だけでも想像してみる。そうしたら少しだけ世界は優しくなれるのかもしれないと思うから。